好きな落語家はと聞かれたら、三人いる。
古今亭志ん朝、立川談志、桂枝雀。
なぜ好きか。すげえのよ。すごいの。三人が三人とも違ったすごさがある。
聞くとわかるよ。
役者で演技をするとき、どう演じるかって考るかな?どうだろう。自分の台詞や動きって、連鎖で勝手に出てくるものだから、稽古場に行かないとわからないものだと思う。相手がどうくるかわからないから。せめて、相手のアクションを受け止めたアクションにしたいし、その後の相手のアクションを引き起こすアクションにしたいとは思う。
あとは、そこに在るだけでいいと思う。
それで、多かったり少なかったりしたら、演出が色を加えるから、そこに任せればいい。
自分も、演じてるフリをしたときに、やっちまったと思うことがある。そこにいない感じ。
そこに気付くかどうか。まずはそこから。
KANの代表曲「愛は勝つ」
誰でも聞いたことはあると思う。
"愛"とか"勝つ"とかあまり好きではない言葉を、あんな力強い鍵盤と声で、高らかに歌われると何だか勝つかもしれないって思ってしまう。愛は勝ってしまうんだろうか。いや、愛は勝つってなんだ。何に勝つんだ。けど、勝つんだろう。そういうものなんだろう。
こういう、何だかわからない力強さが好き。
名古屋に出張で、車中から空をぼんやり眺めていた。すると、鳥がVの陣形で飛んでいるのが見えた。なんだろうと思って検索して調べてみたら、渡り鳥が飛んでいくときに、とる陣形なのだそうだ。あの形で飛ぶと、一羽ずつ疲れにくく飛んでいけるそうだ。リーダーみたいなV字のてっぺんの一羽が疲れるため、飛行中に交代していくらしい。
本当にあの鳥たちは皆、疲れにくくするためってわかって飛んでるんだろうか。一羽くらい「え、そんな理由あったんですね!?わけわからず飛んでました!」みたいな若者もいるかもしれない。
わけわからないかもしれないけど、飛んで行かないといけない。遠くまで、ごくろうさま。
身近なところで、自ら命を絶つ人たちがいた。
バイトへ向かう品川駅で、あの子を見た。とても重い足取りで、何か悩んでるという話は聞いていた。早足の人たちがたくさんの中、彼女の歩く遅さは目立っていた。声をかけようか、迷った。挨拶だけでもいいか。けどしなかった。
同じバイト先で、同じ仕事をしている彼とはほとんど話さなくなった。彼は変わっていた。ロシアが好きな人だった。ぼくの笑いの映像を見て、酷評した。ある一年の仕事納めの日、軽く来年の話をしていたら彼が、何かを呟いた。何を呟いたのか分からなかった。聞き返そうかと思った。けど、やめた。
よく死にたいと言っていた女性からたまにLINEがくる。また死にたいと言っていた。こちらがしんどくなってきて、少し辟易していた。スマホの中でやさしさではなく、反発で返した。それから二度と返事が来なくなった。
生きてりゃ色々ある。けど、自分が声をかけたり、動いたりしてたら、どうなっていたかなと今でも思う。そんなことを考えて今日もぼくは生きている。