KANの代表曲「愛は勝つ」
誰でも聞いたことはあると思う。
"愛"とか"勝つ"とかあまり好きではない言葉を、あんな力強い鍵盤と声で、高らかに歌われると何だか勝つかもしれないって思ってしまう。愛は勝ってしまうんだろうか。いや、愛は勝つってなんだ。何に勝つんだ。けど、勝つんだろう。そういうものなんだろう。
こういう、何だかわからない力強さが好き。
名古屋に出張で、車中から空をぼんやり眺めていた。すると、鳥がVの陣形で飛んでいるのが見えた。なんだろうと思って検索して調べてみたら、渡り鳥が飛んでいくときに、とる陣形なのだそうだ。あの形で飛ぶと、一羽ずつ疲れにくく飛んでいけるそうだ。リーダーみたいなV字のてっぺんの一羽が疲れるため、飛行中に交代していくらしい。
本当にあの鳥たちは皆、疲れにくくするためってわかって飛んでるんだろうか。一羽くらい「え、そんな理由あったんですね!?わけわからず飛んでました!」みたいな若者もいるかもしれない。
わけわからないかもしれないけど、飛んで行かないといけない。遠くまで、ごくろうさま。
身近なところで、自ら命を絶つ人たちがいた。
バイトへ向かう品川駅で、あの子を見た。とても重い足取りで、何か悩んでるという話は聞いていた。早足の人たちがたくさんの中、彼女の歩く遅さは目立っていた。声をかけようか、迷った。挨拶だけでもいいか。けどしなかった。
同じバイト先で、同じ仕事をしている彼とはほとんど話さなくなった。彼は変わっていた。ロシアが好きな人だった。ぼくの笑いの映像を見て、酷評した。ある一年の仕事納めの日、軽く来年の話をしていたら彼が、何かを呟いた。何を呟いたのか分からなかった。聞き返そうかと思った。けど、やめた。
よく死にたいと言っていた女性からたまにLINEがくる。また死にたいと言っていた。こちらがしんどくなってきて、少し辟易していた。スマホの中でやさしさではなく、反発で返した。それから二度と返事が来なくなった。
生きてりゃ色々ある。けど、自分が声をかけたり、動いたりしてたら、どうなっていたかなと今でも思う。そんなことを考えて今日もぼくは生きている。
今年は新しく出会う子どもたちが多い。
昨日、今日と全く新しい場所へ行って、演劇ワークショップをしてきた。
演劇ってどういうことだろう、それを知るというのもあるけど、
別に間違ってもいいのか。別に正解とか無いのか。人と違ってていいのか。
これでいいんだ。
そんなことをちょっとでも感じてくれたら嬉しい。
しっかりしないと。がんばらないと。間違わないように。周りと同じように。正しく行動しないと。
うちらといるときだけでも、それらは少しお休みして。楽しんでくれるといいなと思っています。
面白い子たちがたくさんいる。
また会えたらいいな。
先月紛失した鍵が見つかった。警察から電話があった。本当に感謝。
世界は繋がってるんだなあと思った。